シンタードソールとエクストルードソール
スノーボードのソールには大きく2種類ある。 聞いたことは有るだろうか?
「シンタード」と「エクストルード」… いったい何が違うのだろうか?
ちょっと調べてみよう。。。
"Sinter" は日本語で「焼結」
"Extrude" は日本語で「押し出し」
スキーやスノーボードのソール材に使われるポリエチレン等の熱可塑性樹脂は、熱を加えるとドロドロの液体状に溶ける。そして冷えるとまた固まる。 この性質を利用して「粒状」の樹脂素材を加熱により溶かす。 その次に冷やして固める訳だが、ここに大きな違いがある。
←ポリエチレンの電子顕微鏡写真
スキーやスノーボードは、中心となる「コア材」、デッキ面になる「トップシート」、等々の様々な「シート状」の素材を重ね、貼り合わせた構造になっている。 ここでは、ソール面になる「シート」を形成する方法の違いを見てみる。
エクストルードの場合
ドロドロに溶かした樹脂素材を、スリット状の吐出口から「押し出し」して冷やすことでシート状に成形するやり方だ。
<メリット>
溶かして押し出すだけのシンプルな工程で、コストを抑えることが出来るので、安価で販売される。
<デメリット>
押し出し成形出来るのは「分子量」が低い素材の特徴でもあるので、ソール素材に求められる「硬さ」や「ワックスの浸透性」を出しにくくなる。
シンタードの場合
ドロドロに溶かした樹脂素材を、円柱状の型で冷やして塊状に成形する。その塊から薄く「削り出し(Skiving)」する事でシート状のソール材を作る。 【大根のカツラ剥きのイメージだ】
<メリット>
高い分子量の素材で生産出来る工程なので、ソール素材に求められる「硬さ」や「ワックスの浸透性」を出し易くなる。
<デメリット>
工程が多く、コストが掛かるので、高価で販売される。
以上、最後まで読んでくれた事に、感謝