目線で滑れ
スノーボードを続けていると、「目線が大事」やら「目線で滑れ」だの、やたらと目線の重要性をとやかく言われる。
何処を見れば良いのかと悩む人も居るかもしれない。
居ないかも知れない ...が、記事にしてみる。
アツい視線
何処を見て滑るのか、と聞かれた貴方は何と答えるだろうか?
雪をも溶かす熱い視線を向ける先は?
綺麗な雪景色を楽しむのも良し。
荒れたバーンを滑るとき、気になる足元を見れば安心出来る事も理解できる。
検定の場面ならば検定員を眼でコロス、という手もアリかも知れない。
人間の視野
人間の視覚について調べてみると、「視野」という言葉に出会うこととなる。正面を見つめたときに上下左右の見える範囲を知っているだろうか?
人それぞれに個人差が有るらしいが、左右方向ならば90度から100度、上側に約60度、下側には約70度の範囲が視野に入っているとの事らしい。
ここで興味深いのは上下方向についての視野の非対称性だ。
上方向よりも下方向に少し広い視野を持っている。
しかも噂によると、どちらかと言えば上方向よりも下方向に強い認識力を持っているらしい。
つまり正面を見つめた時に、上半分よりも下半分のほうが良く見えているということになる。
日常での経験
そう言われれば確かに正面を向いて歩いてみれば、目線よりも上にある電線や空よりも、正面に有るものから道路にあるマンホールやら凹凸や段差に気付く事が多い様にも感じる。
電車で座席に座って見た場合も、スマホを見ている時に正面に座って居る人の顔は見えないが、正面に座って居る人の顔を見ている時に手元のスマホ画面を視界の隅に認識出来る事にも気付く。
スノーボードの目線
スノーボードの目線でも同じことが言える。
上の画像からも分かるように、正面(左右ではなく高さ的な正面)を見ているときにはノーズの少し先まで視野に入る。
しかし、ノーズの少し先を見ているときには正面が視野に入らない。
スノーボードの滑走時に、ノーズの少し先にある雪面に重要な情報など無い。
仮に有ったとしても「時既に遅し」だ。
時速20km(原チャリより随分遅く)で滑った場合、1秒後には5メートル以上先に進んでいるからだ。
少なくとも5秒以上先の事を予測しながら滑らなければ良い滑りなど出来るわけがないのだ(と僕は考える)から、正面を見て滑る事は重要な要素だと言える。
結論
今回の結論は簡単だ。
「行きたい先を見る」のが今回の結論。
検定なら「ゴールの先に居る検定員」を見ていれば、検定バーンのほぼ全てを視野に捉えて滑ることが出来るだろう。
ロングターンやミドルターンをするときに、左右に目線を振れば良いだけだ。
足元を見ずに滑る事は、最初のうちは怖くて抵抗があるかもしれない。けれどもきっと直ぐに「未来を見ずに滑る怖さ」に気付く事が出来る筈だ。
スマホを見ながら車を運転しているような怖さだ。
もし、足元を見て滑っているかも知れないと感じる人が居るならば、今シーズンの大きなテーマとして是非試して欲しい。