質問
これはスノーボードのイントラをしていた時に、よく聞かれた。
特にスノーボードに初挑戦するスキー経験者から多く出る質問だ。
困る
これは正直回答に困る質問だ。
そもそも僕はスキーの達人ではない。
だから、スキーが簡単とか難しいとか答える力もない。
スノーボードの楽しさや奥の深さなら、少しは語ることが出来るが、スキーの事は語れない。
素人レベル
但し、素人レベルでならスキーの経験はある。
どれくらいの素人かと言えば、小学校入学前に始めてから現在までの約40年間毎年スキーをしているくせに、準指導員にすらなれない程度のド素人だ。
そのレベルで良ければ、比較は出来る。
以下はそういう次元でのお話だ。
道具の違い
スキーとスノーボードの違いで、最も大きいのは道具の違いだろう。
当たり前だと言わずに聞いてほしい。
スキーの道具
- 板は2枚
- 靴はハードブーツが大半
- 両手にはストック
- 雪上では両手両足での四点支持が可能。
- 爪先の向きが主に進行方向。
スノーボードの道具
- 板は1枚
- 靴はソフトブーツが大半
- 両手はフリー
- 雪上では1枚の板に拘束された両足で立つ。
- 爪先の向きが主に進行方向と異なる。
こういった道具の違いは、様々な感覚の違いを生む。
例えばスキーは四点支持が可能なので「安定している」と感じる人も居るし、「バラバラで扱いにくい」と感じる人も居る。
これは、スノーボードが「不安定」だと感じたり、「バラバラにならないから扱いやすい」と感じる人が居るという事とも同じ意味だ。
で、どっちが簡単なの?
質問を忘れてはいけない。
しかしやはり答えに困る。
どちらもまったく初めて、という人なら制御する対象の道具が少ないスノーボードのほうが「とっかかり」は良いと言える。
だが、やはり不安定さが引き起こす「転倒」は、初心者に対して「難しい」という印象をもたらす。
スキーは2枚の板と2本のストックのコントロールに馴れるまでは「難しい」と感じるだろうし、その一方で四点支持による安定感は「安心」をもたらすだろう。
というわけで、どっちが簡単かという質問の答えは用意できないが、それぞれのメリットとデメリットを挙げる事なら出来るように思う。
向き不向き
少し話が逸れるが、スキーとスノーボードの道具の違いによって生まれる差として、高速滑走時の安定性が大きいと感じる。
直滑降や不整地でのショートターンといった滑走シーンでは、進行方向に体の正面や爪先を向けて四点支持が出来るスキーは、圧倒的に有利だ。
僕のレベルでさえ、スキーのほうが滑りやすいと感じる。
余談(浮気のすすめ)
僕の場合、へタレで挫折しやすいので、スノーボードの練習で行き詰まると、スキーに逃げたくなるし、スキーの練習で行き詰まるとスノーボードに逃げたくなる。
でもちょっと面白いなぁと感じることがあるからここで紹介しておく。
スノーボードの練習で行き詰まり、スキーに逃げる。
その間に「久し振りのスキーだけど何だか調子が良いかも」と感じる瞬間が有ると、スノーボードに戻った時にスランプから脱出できることが多い。
これは勝手な想像だが「雪上滑走」という大きな概念に立ち戻る事が出来るのが、理由だと思っている。
道具の違いから生まれるポジションとかフォームとかアンギュレーションとか外向とか...
そういった細かい体のパーツの使い方に気が行き過ぎて、雪面とのコンタクトとかエッジングとか板のタワみとか目線とか言ったような「根幹の要素」への意識が疎かになっている時なんかに、スランプに陥りやすいんだと感じる。
道具を変えて、違った切り口から雪上滑走を見つめ直してみることで、見つかる何かがきっと有る... はず。